『高校生のキャリアノート』を活用した
進路学習の取組みについて ManageLife活用事例

『Manage Life(マネージ・ライフ)』はいつ頃ご実施されましたか?
また、どのような目的でご採択いただきましたか?

 本校では、1年生と2年生に実施しました。
 1年生には3月の入学前に行うオリエンテーションの際に、学生の特性を知る目的で行いました。
 2年生には、「キャリア形成」の授業において、自己分析の一環として行いました。これまで性格検査というものを実施したことがなかったので、自己PRを考えるきっかけづくりに適していると採択しました。

 

判定結果はどのように活用されましたか?

 1年生には個別面談時に返却しました。その際、判定結果を見ながら、自分の考え方の傾向を気づかせるとともに、これからの学生生活において他の人とのかかわり方にも意識を向けるように指導しました。
 本校には、高校では不登校だった人など、さまざまな背景を持った学生が入学してくるので、まずは“学校を安全基地として”認識してもらえるように心がけています。そのため、特に学生理解シート(学校用)の中の「適応に向けた支援の必要度」や「成長に向けた支援の必要度」が高めに出ていたり、「個性の把握」の中で極端に高い、または極端に低い傾向が出ていたりする、いわゆる“強いこだわり”を持った学生に対しては、教員の間で情報共有し、学生の個性を認めながら丁寧にサポートしました。
 2年生については、授業の中で一斉に返却し、アドバイスシート(学生用)の判定結果・コメントをもとに自己PRを考えさせました。

▼資料1 学生理解シート(学校用)

これからの学生生活の充実・将来に向けた成長に向け、支援の必要度を5段階で表示しつつ、個性を生かせるアドバイスをコメントします。

 

「アドバイスシート」を返却した際の学生の反応はいかがでしたか?

 コメントが学生に配慮された表現になっていたので、1年生も2年生も結果を前向きにとらえることができ、特に落ち込んでいる学生はいなかったように思います。友達同士でアドバイスシートを見せ合っている場面も見られました。
 本校の学生は、『Manage Life』の受検をゲーム感覚で楽しんでいたようです。2年生は1年間一緒に生活してきてお互いに信頼関係を築けていたこともあり、自覚している自分の個性に「わかる、わかる」とうなずきながら、和気あいあいと判定結果を話題にしていました。1年生も、オリエンテーションなどで仲良くなった人同士でお互いのアドバイスシートを眺めていました。

 

『Manage Life』実施後に先生方が感じられた手応え、ご感想をお聞かせください。

 先ほども触れましたが、学生の判定結果は教員間で共有し、学生理解シートで判明した「適応に向けた支援」「成長に向けた支援」の必要度が高めの、極端な傾向を持っている学生へのサポートについて、情報交換ができたと思います。
 また、2年生の中に、1年間順調に学生生活を送っているように見えていてもサポートを必要とする学生がいたこともわかりました。
 本校はカウンセラーが常駐しているわけではないので、実施後の具体的なフォローが難しいところがあります。しかし、今回実施してみて、キャリア教育のプランが見えてきたので、次は付録の学生用教材の活用ブック教師用マニュアルなどもあわせて、積極的に活用していこうと考えています。

▼資料2 マニュアル(学校用)

判定結果からわかる学生の個性について詳しく解説するとともに、面談の際の声掛けの仕方やフィードバック時の注意事項などを、具体例を交えて示してます。

2022年8月取材

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